この記事はこんな方のための記事です。
- エアレーションをしてから魚の調子が悪いような気がする
- 酸素が多すぎると魚にとってよくないのか知りたい
- エアーの適切な量を知りたい
熱帯魚に限らず、メダカや金魚の管理において酸素の量を調整することは必要です。
しかし、初心者の方の中にはエアレーションのしすぎで「酸素が多すぎることは魚によくないのでは?」と心配になる方もいるでしょう。
熱帯魚水槽歴13年になる私も、魚の調子が悪くなった時に「エアレーションの量が多すぎるのかな?」と不安になったことがあります。
現在はちょうどよいエアレーションの仕方がわかってきたので、健康に熱帯魚を飼うことができています。
そこでこの記事では、初心者の方に向けて適切なエアレーションの量や、酸素が多すぎるとどうなるのかをお伝えします。
この記事を読めば、ちょうどよいエアレーションの量についてわかり、熱帯魚を大切に飼うことができます。
まずは結論からお伝えします。
- 酸素が多すぎても問題はない
- エアレーションによる水流でストレスになる場合はある
それでは解説していきます。
水槽にエアレーション(酸素を入れる)目的は3つ
そもそもなぜ水槽にエアレーションをするのでしょうか。
ここではまず、エアレーションをする目的についてお伝えします。
酸素の供給
エアレーションの一番大きな目的は、魚に必要な酸素を水にしっかりと供給することです。
これはイメージしやすいですよね。
特に夏場など水温が高い場合は水中の酸素が少なくなりますので、酸素を送り込むことが大切になります。
基本的に、ブクブクと空気を送り込むことよりも、泡が弾けて水面が波打つことで酸素が取り込まれます。
水槽内の循環
空気は下から上へ動きますので、それとともに水槽内の水も下から上へ移動します。
そうすると水の流れができますので、止水域(水が動きづらいところ)がなくなり、水槽内の循環がよくなります。
通常の四角い水槽の場合、角や底のほうに止水域ができやすいのでそちらにエアレーションをしてあげると水の循環がよくなります。
バクテリアの活性化
汚れや有害物質を分解してくれる「バクテリア」も酸素を必要とします。
酸素が多くなることでバクテリアが増えやすくなり、水槽の水もきれいになっていきます。
魚が健康にし、キレイな水を保つために酸素はとても大切なものです。
エアレーションで水槽の酸素が増えすぎることはない
では、酸素が多すぎるとどうなるのかをお伝えしていきます。
基本的に、エアレーションをしすぎたからといって、水中の酸素が増えすぎてしまうということはありません。
なぜ多くならないのか
エアレーションはそもそも空気を送り込んでいるだけです。
空気中には酸素もあれば二酸化炭素もあります。
空気中の酸素は20%くらいですね。
また、エアレーションは水面を揺らすことで空気と水の接点を多くして酸素を取り入れているだけです。
そのため、空気以上の酸素が取り込まれることはありません。
空気中の酸素はそこまで多くありませんので、魚にとって過剰になりすぎるということはまずないでしょう。
「酸素を出す石」の場合は?
水槽用品として販売されている「酸素を出す石」の場合は、どうでしょうか。
「酸素を出す石」は、水と化学反応を起こして酸素が放出される仕組みです。
こちらも、そこまでたくさんの酸素が出すぎてしまうとうことはまずないです。
また、入れすぎてしまったからといって酸素が問題になることはありません。
ただ、酸素を出す石を入れると水酸化カルシウムによりpHがアルカリ性に偏ってしまいます。
水質の変化で魚に負荷がかかる場合はあります。
引越しの場合には酸素ボンベでパッキングするとよい
引越しなど、魚を運ばなくてはいけない時には、酸素を出す石よりも酸素ボンベと一緒に袋に入れてあげるほうがよいでしょう。
酸素と一緒にパッキングされた魚は数時間は生きていることができますので、安心です。
熱帯魚の安全な引越しについては「失敗しない熱帯魚引越しマニュアル」をご覧ください。
エアレーションが水槽の魚に与えるストレス
エアレーションによって酸素が過剰になりすぎてしまうことはありません。
しかし、エアレーションによって魚にストレスがかかる場合はあります。
水流によって泳ぎ続けなければならない
エアレーションを行うと水槽の水は下から上へと循環していきます。
そこでは、少なからず水流が発生するため、水流が苦手な魚にとってはストレスがかかる場合があります。
特に、強い水流を好まない魚にとっては、疲れてしまうこともあります。
ただ、基本的に水流はフィルターの影響によるところが大きいため、エアレーションだけで水流が強すぎるということはないでしょう。
強い水流を苦手とする魚
強い水流を苦手としている魚は「ヒレが大きめの魚」です。
- ベタ
- グッピー
ベタは基本的にエアレーションをしなくても生きていくことができる魚です。
ラビリンス器官という体のつくりをもっており、水面の酸素を取り入れて生きることができます。
ベタは水流を嫌うため、エアレーションなども必要ありません。
また、グッピーもヒレが大きいため、強い水流は好みません。
ただ、エアレーションだけではそこま大きなストレスは感じないでしょう。
エアレーションがなくてもいい水槽とは
エアレーションがなくてもいい水槽ってあるの?
と考える方もいるでしょう。
水が流れ込むタイプのフィルターを使用している
「外掛けフィルター」や「上部フィルター」のように、水が水面から流れ込むタイプの場合、エアレーションがなくても大丈夫です。
水面が揺れることで酸素が取り入れられるため、酸欠になることはほぼありません。
私も外掛けフィルターを使用している水槽は、エアレーションをしないで管理をしています。
立ち上げてから数か月たっている水槽
立ち上げ時から数か月たち、水質が安定している場合はエアレーションがなくてもある程度は大丈夫です。
逆に「なぜ立ち上げ時にエアレーションが必要か」というと、バクテリアを増やすためです。
立ち上げ時にはエアレーションをできるだけ長い時間行い、バクテリアを増やしていくことを優先させて行いましょう。
白濁りや茶ゴケなどを予防することができます。
まとめ
ここまでをまとめます。
- エアレーションで酸素が過剰になることはない
- エアレーションを好まない魚もいる
- 水面が動くフィルターであればエアレーションはいらない
エアレーションのし過ぎや酸素を出す石によって、酸素が過剰になりすぎることはありません。
もし、魚の調子が悪いのであれば水質の変化など他の原因を考えてみるのがよいでしょう。
また、フィルターによってはエアレーションが必要にならない場合もあります。
参考にしていただければと思います。