この記事はこんな方のための記事です。
- 何回コケをとっても、すぐに生えてきて嫌になっている。
- 水槽の掃除をする時間を短縮したい。
- 手で取りづらい細かいところもきれいにしたい。
水槽の掃除は人間の手で行うのが一番早いです。しかし仕事や、家族との時間を考えると毎日掃除をするわけにはいきません。
そうしているうちに水槽がコケだらけになってしまい、掃除をするのがさらに面倒になってしまうこともありますよ。
そのような問題を解決してくれるのが、水槽の中にコケを取ってくれる貝やエビ、熱帯魚などの生体です。
それはわかるんだけど、自分の水槽にはどの生体を入れればいいのかわからなくて・・・
生体によって、きれいにしてくれる場所や、コケの種類は違います。選ぶ生体を間違えてしまうと、「思ったよりきれいにならない」ということになってしまいます。
水槽を管理して12年以上になる私も、以前はコケに悩まされ、様々なコケ取り生体を水槽に入れてきました。
自分の水槽に合わない生体を入れてしまい、時間やお金を無駄にしてしまったこともありました。
しかし、現在では、コケに悩まされることは少なくなりました。それは、それぞれの生体の特徴やメリットデメリットがわかってきたからです。
今回は、実際に水槽に入れてみた経験をもとに、生体ごとの特徴や、デメリットなどをお伝えします。
この記事を読めば、どの生体を入れればよいかがわかり、きれいな水槽を保つことができるようになりますよ。
コケを取ってくれる「場所」「コケの種類」「値段」をもとに決めていきましょう。
名 前 | おすすめ度 | ガラス面 についた コケ (茶・緑) | 糸状やフワフワしたコケ (茶・緑) | 黒ひげゴケ | 1匹の値段 |
ヤマト ヌマエビ | コケ取りの能力が高い | ほぼ 食べない | よく食べる | 食べる | 40~ 100円 |
ミナミ ヌマエビ | 小さくて 目立たない | ほぼ 食べない | 食べる | 食べる | 30~ 90円 |
オトシン クルス | 能力は高くないが人気 | 食べる | 食べる | ほぼ 食べない | 250~ 400円 |
サイアミーズ・フライングフォックス | 多くの種類 のコケを食べる | あまり食べない | よく食べる | 食べる | 200~ 400円 |
フネアマ 貝 | ガラス・岩などの掃除に向く | よく食べる | 食べる | ほぼ 食べない | 100~ 150円 |
石巻貝 | ガラス・岩の掃除に向く | よく食べる | 食べる | ほぼ 食べない | 50~ 120円 |
これらを考えると、ヤマトヌマエビとサイアミーズ・フライングフォックスをおすすめします。
なぜかというと、食べてくれるコケの種類と量が豊富で、勝手に繁殖してしまうことがないからです。
ヤマトヌマエビ【おすすめ度◎】
コケ取り生体の定番と言えばヤマトヌマエビです。
30cmの小型水槽から120cm以上になる水槽まで、水槽の大きさを問わず入れておくべきコケ取り生体です。
取ってくれるコケの種類も豊富で、茶ゴケから糸状コケ、黒ひげゴケまで食べてくれます。特に茶ゴケや糸状ゴケについては、ヤマトヌマエビに任せておけば問題ありません。
黒ひげゴケについては、そのままでは食べてくれません。木酢液を使い、食べやすく処理することで、なくなっていきます。詳しくは≫すぐに黒ひげゴケを消す方法≪をご覧ください。
60cm水槽であれば、15匹~20匹程度入れておくとコケの量が目に見えて変わるでしょう。
ヤマトヌマエビは、淡水では繁殖しないので、気付いたら水槽の中がエビだらけになってしまうということはありません。
ただ、体長は3~5cmと大きめのため、小型の水槽にたくさん入れてしまうと目立ってしまう場合もあります。
比較的小さいヤマトヌマエビもいますが、ショップや通販などで、小さめだけを買うことは難しいです。
目立ってしまうのが嫌な場合は小型のミナミヌマエビをおすすめします。
チェックポイント
・ヤマトヌマエビのコケ取り能力は高い。
・体が大きいので小型水槽では目立ってしまう。
・繁殖はしない。
ミナミヌマエビ【おすすめ度〇】
続いておすすめするのはミナミヌマエビです。
ヤマトヌマエビよりも小型のエビですが、コケを取る能力もそこそこあります。
小型水槽を管理している方にはおすすめのコケ取り生体です。
体長はおよそ1cm~3cm程度で水槽に入れておいても目立たないのが特徴です。
遠目で見ている限りはほとんど気にならないので、レイアウトのじゃまにならないようにしたい方におすすめです。
また、ミナミヌマエビは淡水の水槽でも簡単に繁殖するため、購入するときは10匹程度買っておけば減ってしまうことはありません。
ただし、繁殖を止めることも難しいため、増えすぎてしまうのが嫌な方には逆にデメリットともなり得ます。
チェックポイント
・繁殖するので数が自然と増える。
・コケ取りはヤマトヌマエビには劣る。
・エビを目立たせたくない人にはおすすめ。
ミナミヌマエビやヤマトヌマエビがすぐに死んでしまうという方は原因があります。詳しくは≫【エビの死因は7つ】ミナミヌマエビが全滅する理由≪をご覧ください。
オトシンクルス【おすすめ度〇】
オトシンクルスは、ガラス面や葉っぱの表面など、広い範囲のコケを食べてくれる熱帯魚です。
コケを食べている姿の愛らしさや、ガラス面にピッタリくっついて休んでいる姿に人気があります。
すでに生えてしまったコケ取りをきれいにしてくれる、とまではいきませんが、予防として入れておくのはよいでしょう。
飼っている方はコケ取りの能力よりも、泳ぎ方やその姿が好きで飼っている方が多いです。
ちなみに、ショップなどでは「オトシンクルス」と「オトシンクルス・ネグロ」という種類が販売されています。
身体の模様などが少し違いますが、コケ取り能力の違いや泳ぎ方はそこまで変わりません。こだわりがなければ安価な「オトシンクルス」を飼うことをおすすめします。
オトシンクルス:300~400円
オトシンネグロ:400円~600円
チェックポイント
・ガラス面のコケを取る姿が人気。
・コケ取りの能力は高くないが、予防として入れておきたい。
サイアミーズフライングフォックス【おすすめ度◎】
茶ゴケや糸状ゴケ、黒ひげゴケなど多くの種類のコケを食べてくれることで有名です。
黒ひげゴケを食べてくれる生体は少ないので、60cm数匹であれば2~3匹入れておいてもよいでしょう。
雑食で他の魚が食べ残したエサなども食べてくれますので、水質の悪化を防ぐこともできます。
体長は大きめで7~10センチ程度です。小型のカラシン(ネオンテトラなど)を入れている水槽では、他の熱帯魚よりも目立ってしまいます。
小さいミナミヌマエビは食べられてしまうこともありますので、混泳は避けておいたほうがいいです。混泳するのであれば、ヤマトヌマエビをおすすめします。
チェックポイント
・体が大きくなるため目立つ。
・ミナミヌマエビとは混泳させないほうがよい。
・黒ひげゴケを食べてくれる数少ない魚。
フネアマ貝【おすすめ度〇】
石巻貝と似たような見た目ですが、コケ取り能力は石巻貝よりも少し高めです。
水質の変化に強いため、水質が安定していない初期の水槽でも活躍してくれます。
ガラス面のコケをこそぎ取り、岩や流木の表面の掃除も得意です。
大きさは2~3cm程度で、あまり目立つことはないでしょう。
卵をガラス面に産み付けてしまうため、見た目はあまりよくありません。ただし、この卵は孵化することはないため、勝手に増えてしまって困ることはないです。
寿命3年程度と長いので、一度飼い始めれば長く活躍してくれます。
ソイル(土)の中にもぐることがあるので、水草を育成する水槽にはおすすめしません。
チェックポイント
・ガラス面などの掃除が得意。
・水質の変化に強いので、初期の水槽でも活躍する。
・ソイルが敷いてある水槽ではもぐってしまうこともある。
石巻貝【おすすめ度〇】
小さめの貝なので比較的目立ちませんが、その分コケ能力も高くありません。安価で手に入れられますし、ショップでも比較的手に入りやすいです。
寿命が1年程度と短めなので、長く活躍してもらいたいのであれば、フネアマ貝のほうがおすすめです。
フネアマ貝と同様に卵を産むので、見た目が悪いです。
比較的低い水温でも大丈夫なので、メダカなどの水槽にも入れることができます。
チェックポイント
・安く手に入れることができる。
・ガラス面の掃除に適している。
・コケ取り能力で言えばフネアマ貝のほうがよい。
総合的に考えるとヤマトヌマエビとサイアミーズ
コケ取り能力が高い生体を入れることで、水槽掃除の手間が少なくなり、手の届かないところまできれいにすることができます。
また、コケがついて取りづらくなってしまう前に生体に食べてもらうことで、きれいな水槽を保ちやすくなります。
ヤマトヌマエビとサイアミーズフライングフォックスを入れておけば、合格点はとることができます。
ぜひ検討してみてください。