この記事はこんな方のための記事です。
- 金魚・メダカ・熱帯魚などの正しい水槽掃除の方法を知りたい。
- 簡単に水槽を掃除する方法を知りたい。
- 掃除や水替えの頻度をどれくらいにすればよか迷っている。
水槽を管理し始めて間もない方は、どのように掃除や水替えをすればよいのかわからないことがあります。
熱帯魚や金魚の水槽を管理して12年以上になる私も、以前は掃除の仕方は正しいのか迷ったことがあります。
現在ではできるだけ手間をかけず、効率的に掃除ができるようになったので、毎日きれいな水槽を眺めることができています。
そこで、この記事では熱帯魚水槽をもとに掃除の方法について詳しく解説します。
この記事を読めば効率的な掃除の仕方がわかり、きれいな水槽を管理することができるようになりますよ。
水槽掃除や水替えをすることのメリットは3つ
水槽を掃除し、水替えをすることは水槽を管理する上では避けては通れません。
ほとんどの方は「コケを落とすため」に掃除をするという方が多いのではないでしょうか。
掃除には「コケを落とす」以上に大きなメリットがあります。
ここでは、水槽掃除・水替えのメリットについて詳しく説明します。
①コケが出にくくなる
今あるコケを落とすだけでなく、予防的にコケが出にくく、きれいな水槽を保つできます。その理由は、次の2つです。
- 水槽内の汚れ(エサの食べ残しやフン)を水槽の外に出すことができる。
- 余分な栄養分を水槽の外に出すことができる。
水槽内には、エサがそのまま底に落ちて腐ってしまったり、魚のフンが溜まっていたりします。
それらを水と一緒に吸い出すことで、コケの原因となる汚れを水槽の外に出すことができます。
水替えをしないと、汚れはずっと溜まり続けることになりますので、定期的な水替えが必要になります。
また、水草を育成している方は、栄養分の多さにも気を遣う必要があります。
ソイル(土)には栄養分が含まれていますが、それが多すぎるとコケに変わってしまいます。
水替えには、栄養分を適度な量に保つという意味もあります。
砂利などを使っている場合は、そこまで気を遣う必要はありません。
②魚の健康状態を保つことができる
水槽の掃除をしないと、汚れは溜まっていく一方です。そうなると魚の健康状態も悪くなっていきます。
人間でも、汚いところにいたら病気になりますよね。
せっかく家の水槽に来てもらったのですから、長生きできるように掃除をこまめにしていきましょう。
③水の臭いを少なくすることができる
水の臭いの原因は次の通りです。
- エサのあげすぎ
- 水替えの頻度が少ない
- 底に汚れが溜まっている
- フィルターの能力が低い
- まだバクテリアが少ない
水が臭い場合は、まずは水替えや掃除を行うことが大切です。
そして、臭いのもととなる汚れを分解してくれる「バクテリア」を増やすようにしていくことが大切です。
適度な水替えと、バクテリアを増やすように心がけることで、水の臭いを確実に減っていきます。
バクテリアを増やす方法についてはくわしく知りたい方は≫こちら≪をご覧ください。
間違った水槽掃除の仕方
水槽をきれいにしようと思っているのに、全然きれいにならない。
すぐにコケが生えてしまう。すぐに魚が死んでしまうという場合には、間違った水槽掃除の仕方をしている場合があります。
例えば、次のような掃除の仕方です。
水をすべて入れ替えてしまう
よくある失敗が、「水を全て捨てて新しい水道水に入れ替える」ことです。
水道水は透き通っていますし、水を入れ替えるとその日は気持ちがいいです。
しかし、その掃除の仕方は逆効果です。
なぜかというと、せっかく増えてきたバクテリアがいなくなってしまうからです。
バクテリアは、時間が経つとフィルターや水槽の中に増えていきます。
バクテリアは「水槽のお掃除屋さん」なので、それがいなくなってしまうと、水槽の状態が悪くなってしまうのです。
そのため、すべて入れ替えず、水槽の1/3くらいを入れ替えるのがよいのです。
水槽の上部から水を吸い出す
水槽の水をバケツに取り出すときに、水槽の上部の水を吸い取ってしまうのは、効率が悪いです。
汚れは水槽の底に溜まります。
そのため、水を吸い出すときには、底の部分に近いところから吸い出すことで、より多くの汚れを取り出すことができます。
また、特にフィルターの吸い込み口付近は汚れが溜まりやすいです。
できるならフィルター付近の底の水を取り出すのが効果的といえます。
後ほど詳しく説明しますが、砂利の中の汚れも取り出すと、さらにきれいになります。
水槽掃除の手順や水替えの仕方
他の人がどのように水槽掃除をしているかを見る機会は少ないです。
そのため、水槽を管理し始めたばかりの方は、どのように掃除をするのかイメージがわかない方もいらっしゃると思います。
ここでは、一般的な掃除の仕方について説明します。
①必要なモノを準備する
まずは、あらかじめ水槽掃除に必要なモノを準備しておきましょう。
これがあればよいというものをリストアップしました。
- タオル
- バケツ
- スクレーパー
- メラミンスポンジ
- 歯ブラシ
- 水替え用ホース
ガラス面を掃除するために、スクレーパーがあると圧倒的に時間が短縮され、手間もかからなくなります。
なければ、メラミンスポンジで擦りましょう。
②フィルターやヒーターの電源を切る
水槽を掃除する前に、フィルターとヒーターの電源は確実に切っておきましょう。
フィルターの電源を切るのは、「汚れをフィルター内に吸い込ませないため」です。
コケを掃除すると水中に汚れが舞いますので、それをフィルター内に入れないように先に電源を切ります。
ヒーターも必ず電源をOFFにしてください。
ヒーターは、水から出てしまうと、電源が落ちて使えなくなってしまいます。
水替えで水が下がると、水面から出てしまうので、水を抜く前にOFFにしましょう。
私は、スマートプラグで時間を管理しているので、スマホでON/OFFをします。いちいちプラグを抜かなくてよいのでおすすめです。
スマートプラグの使い方やメリットについては≫こちら≪
③ヒーターなどの付属品を取り外す
電源を切ったらヒーターやフィルターなど、水槽に付属しているものを取り出していきます。
時間がない場合には、そのままでも構いませんが、細かいところの掃除がしづらくなります。
できるだけ外してあげるとよいでしょう。フィルターの吸水・排水パイプも外します。
④ガラス面のコケを落とす
もっとも汚れが気になるところと言えばガラス面です。コケがついて緑色になっているので、ここはきれいに落としていきます。
一番簡単なのは専用のスクレーパーで落としていくことです。
専用のスクレーパーは剃刀の刃のようになっているので、力を入れずにコケを落とすことができます。
私が長年愛用しているコスパのよいスクレーパーは≫こちら≪です。
プラスチックのものも100均などで買えますが、効率が全く違うので、専用のものをおすすめします。
角の部分はメラミンスポンジや歯ブラシできれいにしていきます。
⑤水を1/3くらい吸い出す
ガラス面のコケを落とすと、水も汚くなります。
このコケを含んだ汚れた水を水槽の外にできるだけ出していきます。
さらに、汚れは砂利や土など、底の部分に溜まります。
できるだけ底に近いところの水を吸うことで、よりたくさんの汚れを外に出すことができます。
砂利であれば、底に溜まった汚れを取る専用のホースがありますので、こちらを使うとより汚れをたくさん取ることができます。
なければ、ふつうの水替え用のホースをそこに押し付けるようにして水を吸っていきます。
吸い出した汚れは、お風呂場やベランダなど、排水溝に捨ててください。
⑥バケツに水を入れてゆっくりと入れる
汚れを吸い出したので、今度はきれいな水を入れていきます。
バケツに水を入れ、カルキ抜き剤を入れていきます。
バケツの水を数時間置いておき、カルキを抜くこともできますが、カルキ抜き剤を入れるほうが早く水を入れることができます。
カルキ抜き剤はできるだけ安いものを使うとよいでしょう。
【コスパ最強のおすすめカルキ抜き5選】は≫こちら≪をご覧ください。
バケツの水を勢い良く入れると、そこに溜まった汚れが舞ってしまったり、レイアウトが崩れてしまったりするので、少しずつ入れるとよいでしょう。
⑦付属品を洗い、水槽内に設置する
ヒーターやフィルターのパイプなどをきれいにしていきます。
広い面はメラミンスポンジで、細かい部分は使わなくなった歯ブラシで擦るといいです。
フィルターのパイプやホースの中は専用のホースブラシをおすすめします。
フィルター内やパイプ掃除の方法については≫こちら≪をご覧ください。
⑧フィルター・ヒーターなどの電源を入れる
すべての掃除が終わり、しっかり水を入れ終わったら、フィルターやヒーターの電源を入れていきます。
水槽がきれいになったことで満足して、電源を入れるのを忘れてしまうことがありますので、注意しましょう。
長時間フィルターの電源を入れ忘れてしまうと、フィルター内にいるバクテリアがいなくなってしまい、水槽の調子が悪くなるので、ぜひ気を付けてください。
⑨まわりの水滴などを拭く
最後に、水槽まわりに飛び散った水を、タオルできれいに拭いていきます。
拭かなくても自然に乾燥するのですが、カルキが固まって白くなってしまうこともありますので、必ず拭くようにしましょう。
白くなってしまった部分はスクレーパーや、クエン酸などを少しつけて、こすってみてください。
水替えは「週に1回1/3が基本」
時間がなくて水槽掃除ができなくても、水替えだけは必ず週に1回程度行うようにしましょう。
基本的にはよく言われる「週に1回水槽の1/3の水を入れ替える」で問題ありません。
汚れが多い場合は、週に2回にしてもよいでしょう。
水槽を立ち上げたばかりの時は要注意
水槽を立ち上げたばかりの時は、水替えの量も少し変わります。
砂利を使用している場合
砂利を使用している場合は、立ち上げから1か月程度は、水替えの量や頻度を少し少なくしてあげるとよいでしょう。
立ち上げたばかりの時はバクテリアを増やすことが重要です。
なので、「じっとバクテリアが増えるのを待つ」という考え方で水替えをしましょう。
栄養を含むソイル(土)を使用している場合
ソイル(土)を使用している場合は、立ち上げ直後は少し水替えを増やしてきましょう。
立ち上げ直後は、水草の栄養吸収が少ないため、コケが発生しやすいです。
「余分な栄養を水槽外に出す」という考えて、少し多めに水替えをしましょう。
コケの種類によって、掃除の仕方は変わる
コケの種類によっても、掃除の仕方や水替えの頻度は変わります。間違った掃除の仕方をしてしまうと、さらにコケを悪化させてしまいますので、気を付けてください。
緑色のコケ
よく見る緑色のコケの原因は「汚れ」「余分な栄養分が多すぎる」ことです。
こちらは、定期的な水替えと掃除によって、少しずつ改善していきます。
水槽の底にある食べ残しやフンをできるだけ水槽外に出すようにしましょう。
茶色いコケ(茶ゴケ)
茶色いコケは、おもに「バクテリア不足」が原因です。
茶色いコケが出ている場合は、水替えを少なくする必要があります。
水替えをしすぎてしまうと、水の中にいるバクテリアも水槽の外に出してしまうことになるからです。
茶ゴケがある部分だけこすって吸い出し、少し水替えの量を減らしていきましょう。
茶ゴケを消す方法について詳しく知りたい方は≫こちら≪をご覧ください。
濃い緑色のコケ(藍藻)
濃い緑色のコケは「藍藻(らんそう)」といいます。実際にはコケではなく、細菌の一種です。
砂利などにべったりとこびりついていて、ドロドロしています。
こちらは、かなりやっかいなものなので、できるだけ吸い出し、水槽の中から消していく必要があります。
また、藍藻はオキシドールを添加していくことで消すことができます。できるだけ早めに対処していきましょう。
藍藻の原因や対策を知りたい方は≫こちら≪
水槽全体に増えてしまうと、すべてをやり直して立ち上げないといけなくなります。
黒くて固いコケ(黒ひげゴケ)
黒くて固いコケは黒ひげゴケといいます。こちらの原因はいろいろありますが、おもに「フィルター内が汚れている」ことが多いです。
黒ひげゴケが出てきた場合は、水槽内だけでなく、フィルターをしっかりきれいにしていくことが大切です。
フィルターの掃除の仕方については≫こちら≪をご覧ください。外部フィルターについて説明をしていますが、基本的な掃除の仕方はどれも同じなので参考になるかと思います。
水槽をきれいに保つためにはフィルターが重要
ここまで水槽掃除の必要性や、水槽掃除の仕方を解説してきました。
しかし、できることであれば、掃除の手間を少なく、いつまでもきれいな水槽を保てるようにしたいものです。
水槽をきれいに保つために、最も重要なのは「どのようなフィルターを使用するか」ということです。
フィルターの種類やろ材(フィルターの中に入れるもの)によって、水槽の汚れ方は大きく変わります。
結論からお伝えすると、最もろ過(水をきれいにする)力があるものは「外部フィルター」という種類のフィルターです。
こちらを使用するだけで、水のにおいや汚れ具合はかなり変わります。
水槽の汚れに悩んでいる方の多くは、ろ過能力があまり高くないフィルターを使用していることが多いです。
例えば、投げ込み式フィルターなどです。これはろ過能力としてはかなり低いです。
水のにおいや汚れにかなりお困りの場合は、違うフィルターにすることをおすすめします。
また水槽セットにはこのような外掛け式フィルターがついていますが、こちらも、そこまでろ過能力は高くありません。
こちらは、物理的なごみを取る力はあるのですが、バクテリアはあまり増えません。
もし、こちらを使用している方は、ろ過能力をパワーアップさせる≫こちら≪の方法をご覧ください。
水をきれいにしたい、ろ過能力を高くしてきれいな水槽にしたいという方は、初期投資だと思って外部フィルターにすることをおすすめします。
私も、外部フィルターに替えてからは、まったく水のにおいもなくなり、水が透明になりました。ぜひ、検討してみてください。
まとめ:こまめな掃除・水替えでトラブルを回避する
ここまで説明してきたことをまとめます。
- 水槽掃除は汚れを水槽外に出すことが大切。
- 水槽掃除はコケやにおいを出にくくする。
- 正しい手順で掃除をすると効率的。
- コケの種類によって掃除の仕方は変わる。
- そもそもの掃除を減らすにはフィルターの能力を上げるのがよい。
掃除や水替えをするのは、手間がかかります。しかし、水の汚れや臭い、コケがひどくなってしまってから行うとさらに労力がかかります。
定期的にこまめな掃除を行うことで、毎日の水槽管理がより楽しく、簡単になります。
また、フィルターをパワーアップさせることで、掃除の回数を減らし、トラブルを防ぐこともできます。
皆様がきれいな魚を眺めるために、この記事が参考になれば嬉しいです。