「物理ろ過」とか「生物ろ過」ってどういうこと?
そもそも水槽の「ろ過」って何をすればいいの?
どんなフィルターやろ材を使えばいいの?
熱帯魚水槽を始めたばかりの時は、ろ過の仕組みがよくわからず困ってしまいますよね。
結論から言うと、「生物ろ過」に力を入れることで熱帯魚水槽の悩みは解決できます。
熱帯魚水槽歴10年の私も、始めたばかりのころは「生物ろ過」と「物理ろ過」の意味が分かっていませんでした。
水槽はコケだらけ、熱帯魚が弱っていくなど、本当に困りました。
しかし、今では、水のにおいもありませんし、きれいな水で熱帯魚を飼うことができています。
そこで、今回は熱帯魚水槽を始めたばかりの初心者の方に向けて、「物理ろ過」と「生物ろ過」の違いやろ材についてくわしく解説します!
この記事を読むと、生物ろ過と物理ろ過について理解でき、水のにおいや熱帯魚の病気に悩まされることがなくなります。
初心者の方におすすめの水槽や道具は【初心者必見!】熱帯魚水槽 初心者が買うべき11個のモノをご覧ください。
そもそも「ろ過」って?
まず、そもそもろ過って何?というところからお話します。すでにわかっている方は読み飛ばしてください。
簡単に言うと、「汚れた水を、透明できれいにすること」です。理科の実験でやった、ろ過と同じです。
水が茶色くなっていたり、ゴミがたくさん浮かんでいたりしたら「汚れている」と思いますよね?
これをキレイで透明な水にするのがろ過です。
ただ、ここで覚えていただきたいのは、
見た目が透明でも、汚れていることがあるということです。
水からドブのような変なにおいがしている場合は、目には見えないけれど、水が汚れている状態だといえます。
このような目には見えない水の汚れもきれいにするのが「ろ過」といえます。
でも、何をすれば「ろ過」できるの?
では、次にそれをお話ししましょう。
どうすれば「ろ過」できるの?
ろ過をするには、水槽の近くにフィルターを用意して、そこに水を通してきれいにする必要があります。
フィルターは「入れ物」なので、実際にきれいにしてくれるのは中身の「ろ材」と呼ばれるものです。
フィルターとろ材の組み合わせをセットすることで、水をきれいにすることができます。
フィルター + ろ材 = ろ過をしてくれる道具 ということです。
フィルターにはいろいろ種類がありますが、今回は割愛します。
外掛けフィルターについては【ろ過能力アップ!】外掛けフィルターにろ材を追加するならこれ!をご覧ください。
「物理ろ過」って?
水をきれいにする手段として、「物理ろ過」と「生物ろ過」と呼ばれるものがあります。
では、まず「物理ろ過」から説明しましょう。
物理ろ過=「目に見える大きなゴミをきれいにするろ過」のことです。
コーヒーで考えると、コーヒー豆のカスだけが紙のフィルターに残るような感じです。
それと同じで、魚が食べ残したエサやフンなど、目に見えるものを取り除いてくれるのが「物理ろ過」であると考えてください。
物理ろ過をしたい場合には、フィルターの中にウールマットやフィルターパッドなどのろ材を入れるようにします。
ウールマットやフィルターパットにゴミが引っかかり、水槽の水にはゴミがなくなります。
しかし、大きなゴミを取っても、まだまだ水はきれいになっていません。
そこで必要になるのが「生物ろ過」です。
「生物ろ過」って?
次に生物ろ過についてです。
生物ろ過=「目に見えない汚れを取り、水をきれいにする」ということです。
目に見えて汚れていないなら、きれいにする必要はないんじゃない?
そんなことはありません。目には見えなくても、水は汚れているのです。
汚れの原因
汚れの原因は、これまた「魚の食べ残したエサやフン」です。
大きなゴミはとれていても、汚れはまだ水の中に溶けだしています。
水槽の中の汚れは主に「アンモニア」です。これが多くなってくると水が臭くなってしまったり、魚が病気になってしまったりするのです。
人間でも、嫌なにおいがしたり、汚いものがずっと近くにあったら病気になってしまいます。水の中でも同じです。
この水の中の汚れに対して、「生物ろ過」をすることで、水の中に溶けだしている汚れを取ることができるのです。
目に見えない掃除屋「バクテリア」
目に見えない汚れなんて、どうやってきれいにするの?
実は、水の中には目に見えないバクテリアという生き物がいます。
実は、このバクテリアが水をきれいにしてくれるのです。
食べ残したエサやフンから出る有害なものを、このバクテリアが分解して、きれいにしてくれます。
この、バクテリアの数は多ければ多いほどいいのです。掃除をしてくれる人が多いほうが、きれいになるのはわかりますよね。
では、どうしたらこのバクテリアを増やすことができるのでしょうか?
バクテリアの家を作ってあげる
一番大切なのは、バクテリアが住むところを作ってあげることです。
バクテリアは、水を置いておくだけでは、そこまで数が増えることはありません。
住むための家が必要です。
この家こそが「ろ材」なのです。
「ろ材」をしっかりと準備することで、バクテリアが増え、増えたバクテリアが水をきれいにしてくれます。
家になるろ材は何?
フィルターの中にバクテリアが住むための場所が大切だとお話しました。
この家になるものが、ろ材です。
バクテリアの家になるろ材は、大きく分けると2つあります。
「リングろ材」と「ボール型のろ材」です。
私はこの2つの両方のろ材を使っていますが、どちらかだけでもかまいません。(リングろ材のほうが、水の流れがよくなるといわれています。)
おすすめは エーハイムメックやエーハイム サブストラットプロです。迷ったらこの辺りを買っておけば間違いありません。
生物ろ過を強化するメリット
熱帯魚が病気になりにくい
水のなかに有毒なもの(アンモニアなど)が多くあると、熱帯魚が病気になりやすいです。
人間でも空気が汚れているところでは健康な生活を送ることはできませんよね。
魚でも同じです。
きれいな水を作れば、熱帯魚が病気になりにくく、長生きさせることができます。
水のにおいがなくなる
家の中の水槽から嫌なにおいがしてくると、水槽の管理が嫌になりますよね。
「熱帯魚なんて買うんじゃなかった」という気持ちになってしまいそうです。
でも、生物ろ過をしっかりとしていきば、その問題は解決します。においのもととなる「アンモニア」がなくなるからです。
バクテリアが増えるまでは少し時間がかかりますが、気づいたときにはにおいはなくなっているはずです。気長に待ちましょう。
簡単にできるレイアウトは初心者でも簡単!草原レイアウトはパールグラスで!をご覧ください。
コケが生えにくくなる
水槽を立ち上げたばかりの時は、茶色いコケが出てきます。
これは、バクテリアが少なく、ろ過がうまくいっていないときに発生します。
これも、同様に生物ろ過に力を入れていけば解決します。
物理的にコケをとることも大切ですが、水をきれいにするというほうに力を入れていくとよいでしょう。
バクテリアが増えてくると、水が透き通って、コケにも強くなります。
コケに悩まされている方は【水草水槽】初心者必見!水草が育たずコケまみれになる8つの失敗例と対策をご覧ください。
まとめ
「物理ろ過」と「生物ろ過」についてお伝えしました。
始めたばかりのころは、「生物ろ過」の仕組みが難しいと思いますが、ここがうまく機能すると、楽しく熱帯魚を飼うことができると思います。
ぜひ、生物ろ過を強化してみてください。
ではまたお会いしましょう。