この記事はこんな方のための記事です。
- 育てやすい陰性水草の種類を知りたい
- 強いライトやCO2がなくても育つ水草を知りたい
- 陰性水草の中できれいに育つものを知りたい
一般的に水草を育てる時には、光量が多いライトやCO2の添加が必要です。
そのような設備をそろえようとすると、多くの費用がかかります。
そんな時、重宝するのが「陰性水草」です。
この記事では、水草水槽歴12年以上になる筆者が、強いライトやCO2がなくてもキレイに育つ、おすすめの「陰性水草」や育成のポイントを解説します。
この記事を読めば、費用を抑えてきれいな水草水槽を作ることができます。
すぐにおすすめの陰性水草をご覧になりたい方は「おすすめ陰性水草13選」へ読み飛ばしてください。
陽性水草と陰性水草の違い
まず「陽性水草」と「陰性水草」のちがいについて解説します。
違いが分かると、うまく育てられます。
「陽性水草」とは
強い光とCO2がないとうまく育たない水草を「陽性水草」といいます。
一般的に売られている水草のほとんどは「陽性水草」です。
代表的なものでいうと「ロタラ」や「パールグラス」などの茎がある水草、「ショートヘアーグラス」などの前景草です。
明るいグリーンのものや、赤系の水草は「陽性水草」と考えていいです。
陽性水草の特徴
・強い光を必要とする
・CO2が必要な場合が多い
・成長が速い
・鮮やかな色合い(黄緑・赤など)
・必要とする栄養が多い
鮮やかな水草を育てたい方は≫【美しい水草】初心者でも育てやすい水草について解説!≪をご覧ください。
「陰性水草」とは
強い光を必要としない水草のことを言います。
陰性水草は流木や、他の水草の影でも育つので、レイアウトでも重宝します。
この記事では、こちらに焦点を当てて解説を行います。
陰性水草の特徴
・強い光が必要ない
・CO2もほぼ必要ない
・成長が遅い
・濃い色で、固い葉
・必要な栄養は少量
・石や流木に活着するものが多い。
陰性水草は濃い緑色をしていることが多く、石や流木に活着(くっついて育つ)種類があります。
初心者でも育てやすい陰性水草13選
ここでは、初心者の方にもおすすめできる陰性水草をご紹介します。
特に「ミクロソリウム」と「アヌビアス」がおすすめです!
ミクロソリウムの仲間 アヌビアスの仲間 ボルビディスの仲間 クリプトコリネの仲間 ブセファランドラの仲間 ウィローモス
陰性水草は、大きく分けるとこちらの6種類が人気で手に入りやすいものです。
その中でも特に人気の高く、初心者にもおすすめの品種をご紹介します。
ミクロソリウムの仲間
ミクロソリウムは、シダの仲間の水草です。中程度の光量があれば育ち、CO2がなくても育成できます。
育てていると子株が生えるので、それを切り離して流木や石などに活着させると増やすことができます。
ミクロソリウム・プテロプス
のこぎりのような形の葉を持ち、中程度の大きさが特徴です。
葉は幅広く、水の流れでゆらゆらと動いてきれいです。
ミクロソリウム・ナローリーフ
長い葉を持ち、垂れ下がる姿が特徴的です。
葉の先端が尖っており、のこぎりの刃のような形状をしています。
ボリュームがあるので、これだけでレイアウトの中心となります。
ミクロソリウム・トライデント
葉の先端が3つに分かれた形状の葉が特徴です。
フォークのように枝分かれをし、葉の形が三角形に見えることから「トライデント(三叉)」と呼ばれます。
大きめなので、60㎝水槽以上には重宝します。
ミクロソリウム・ウェンディロフ
変わった形の葉が特徴的なミクロソリウムです。
葉の端が細かく分かれており、少し違った葉を楽しみたい方におすすめです。
アヌビアスの仲間
アヌビアスは、陰性水草として人気があり、ショップでの取り扱いも多いです。
光量やCO2の供給にはあまり厳しくなく、比較的低い光量やCO2レベルでも成長することができます。
岩や流木に付着して配置することが一般的で、自然な雰囲気を演出するのに使えます。
また、アヌビアスは水槽内の魚やエビにとって隠れ家や産卵場所にもなります。
アヌビアスナナ・プチ
アヌビアスの中でも小さめで丸みがある形が特徴です。
陰性水草の中ではやや明るめの緑色をしているので、レイアウトのワンポイントとして使えます。
岩や流木に付着して配置することが一般的で、ゆっくりと増えていきます。
アヌビアス・ナナ
葉の表面は滑らかでやや光沢があります。
アヌビアスナナ・プチよりも少し濃い目の緑色です。
耐久性があり、初心者にも扱いやすい水草です。
岩や流木に付着して配置し、ゆっくりと成長していきます。
比較的緩やかなペースで増えるため、水槽内のバランスを保つのに適しています。
アヌビアスナナ・ゴールデン
鮮やかな黄緑色をしている面白い種類です。(葉にはやや緑色の模様が入ることもあります。)
アヌビアスの中でも比較的成長が緩やかです。
ボルビディスの仲間
ボルビディスは、ミクロソリウムなどと並び人気の高い陰性水草です。特に中景草として用いられることが多いです。
ソイルなどに植えても育ちますが、通常は石や流木などに活着させて育成します。
また、自分の水槽に入れる時には葉を切り落として活着させるのが基本です。新しい水の環境に合った葉を出してくれます。
ボルビディス・ヒュディロティ
ボルビディス・ヒュディロティは濃い緑色が水槽の中で目立つ品種で、ボルビディスの仲間の中では手に入りやすい種類です。
ボリュームが出やすいので石や流木などに巻き付けて中景草として使用するとより自然なレイアウトを作ることができます。
クリプトコリネの仲間
クリプトコリネは、多くの種類がある陰性水草です。
水質は弱酸性の軟水を好みますが、やや硬度が高くても比較的育ちます。
「ソイル」を使用すれば自然と軟水になりますよ。
CO2があればよく育ちますが、基本的にはなくても育ちます。
他の陰性水草は活着するものが多いですが、クリプトコリネは活着しません。陽性の水草のようにソイルに植えて育てます。
また、ランナーを伸ばして増えていくので、比較的陽性水草の育成に慣れている方にも向いている水草です。
クリプトコリネ・ウェンティーグリーン
一般的によくショップなどで見られる品種です。濃い緑色と比較的大きな葉っぱが特徴です。
ボリュームもあるので、中景として存在感があります。
クリプトコリネ・パルヴァ
ウェンティーグリーンに比べて葉が小さく細いのが特徴です。
比較的背も高くならないので、前景草と中景草のつなぎの位置に植えると自然観を演出することができます。
ブセファランドラの仲間
人気が高い水草で、水上栽培で楽しんでいる方も多い陰性水草です。
流木や石などに活着させて育成します。
高価なものでは、1株数千円以上もするものもあります。
比較的丈夫な陰性水草ですが、あまりにも強い光の下ではコケが生えたり、水質が合わないと葉が溶けてしまったりします。
強い光が当たりすぎないようにする必要があります。
また、葉が溶けてしまった場合には、新しい葉が出てくることが多いので、古い葉だけ切り取るようにしましょう。
ブセファランドラsp.クダガンミニ
ブセファランドラの中でも有名で人気の高い品種です。
育て方などによって少し赤みがかった葉が出てくることもあります。
緑色の水草の中に少し入れてあげるとレイアウトがよりきれいに見えます。
通販などでも売っているので、手に入りやすい種類です。
ブセファランドラ・グリーンウェビー
ブセファランドラの中でも特に人気の高い種類です。
葉の形状は波状であり、美しい緑色をしています。
成長が比較的緩やかで、水槽内での配置やメンテナンスが容易です。
光量やCO2の要求も比較的低く、初心者にとって扱いやすい種類です。
ウィローモス
ウィローモスは水生コケの一種で、流木や石に活着して増えていきます。
売られているウィローモスを手でちぎって流木や石に巻き付けることで増やすことができます。
コケが付いた自然にある木や石を再現できるため、使用している方が多くいます。
強い光にはやや弱いため、水槽の下のほうに活着させるか、他の水草の陰になるところで育成するのがおすすめです。
陰性水草の活着方法
陰性水草は石や流木に巻き付けて活着させるものが多いです。
ここでは、陰性水草の活着方法をいくつかご紹介します。
- 水草用の接着剤でくっつける
- ビニタイで巻き付ける
- 専用の糸で巻き付ける
水草専用の接着剤でくっつける
もっとも簡単なのが水草専用の接着剤でくっつけることです。
石や流木に接着剤を付け、切った水草を手で張り付けていきます。濡れていてもくっつくのが専用の接着剤のよさです。
ビニタイで巻き付ける
特に目立たないところであれば、ビニタイを使用するのもひとつの手です。
こちらは100均でも売っていますし、もっともお金がかからない方法です。
黒がおすすめです。
専用の糸で巻き付ける
ウィローモスなど、接着剤などではくっつけるのが難しい場合があります。
その場合は、水草専用の糸で巻き付けるのがよいでしょう。
専用の糸は目立たない色をしているので、レイアウトの景観を損なわないのでおすすめです。
前景草として使える陰性水草
水草水槽では、緑の絨毯(じゅうたん)を目指して水草を育成している方も多いです。
基本的には、前景草は「陽性水草」ですが、陰性水草でも絨毯のように見せることができます。
使用する水草はウィローモスです。
ウィローモスを石などに巻き付け、それを水草の底に敷き詰めることで、水草の絨毯のように見せることができます。
陰性水草で赤系のものは「ない」
「陰性水草」で赤系のものを知りたいんだけど・・・
残念ですが、陰性水草で赤系になるものはありません。
水草が赤系になるのは、「強い光から身を守るために体を赤くするため」だからです。
そのため、赤系の水草を水槽に入れたいと思うのであれば「陽性水草」しかありません。
赤系の水草も、強いライトとCO2さえあれば育てることができるので、そちらもぜひ挑戦してみてください。
まとめ:陰性水草は初心者でも育てられる
陰性水草は、初心者の方から経験豊富な方まで用いられる重宝される水草です。
特に、強いライトやCO2などの器具がそろっていない方は積極的に取り入れるべきでしょう。
今回紹介した品種はどれも見栄えがして比較的育てやすいものですのです。
迷っている方は「アヌビアス」や「ミクロソリウム」が始めやすいのでおすすめです。