この記事はこんな方のための記事です。
・ミスト式の立ち上げの手順を詳しく知りたい
・立ち上げで失敗しないような簡単な方法を知りたい
・まだ立ち上げた回数が1~2回程度で、経験があまりない方
水草水槽は立ち上げの時が一番難しいです。
立ち上げ時にはコケなどのトラブルが起こりやすいですし、失敗してから立て直すのはかなり大変です。
正しい手順を知って、できるだけ失敗しない方法で立ち上げることが大切です。
熱帯魚・水草水槽歴12年になる私も、初心者の頃は立ち上げの手順が分からずかなり苦労をしました。
立ち上げてすぐにコケだらけになってしまった水槽や、レイアウトが崩壊していってやり直したこともあります。
しかし、現在ではある程度見通しをもって水草水槽を立ち上げることができ、失敗することも少なくなりました。
そこで、この記事では初心者の方でも簡単に水草水槽を立ち上げる手順や注意すべきポイントなどについてくわしく解説します。
この手順通りに行えば、失敗が少なくなりきれいな水槽を眺める時間を作ることができますよ。
①レイアウト(構図)をどうするか考える
まず初めに大まかにどのようなレイアウト(構図)にするかを考えます。レイアウトは大きく分けると3パターンです。
・三角構図
・凸型
・凹型
初心者におすすめなのは「三角構図」
1番オーソドックスで、初心者の方にはおすすめのレイアウトは「三角構図」です。特に60cm水槽適しているレイアウト方法といえます。
凸型や、凹型はバランスを取ったり、放射線状を意識したりしなくてはならないため、難易度が少し上がります。
今回はこのレイアウトを例に作成をしています。
②流木か石 どちらをメインにするかを考える
素材を入れる時に、基本的には流木か石のどちらをメインにするかを決めていきます。
細かく言えばどちらも使うことが多いのですが、メインはどちらかになると考えていきましょう。
今回は、流木をメインにしたレイアウトを作成していきます。
今回は割愛しますが、他のレイアウトについて詳しく知りたい方は、こちらの本がおすすめです!
https://www.choipurasu.com/mizukusa-note2/③流木や石を準備する
石をメインにするか、流木をメインにするかを決めたら、熱帯魚ショップやチャームさん(通販)で素材(石・流木)を買いましょう。
石とか木なんて、そのへんで拾えばいいんじゃないの?
山や川に拾いにいく方もいますが、初心者の方にはおすすめしません。
処理が必要だったり、水質を変化させたりしてしまうからです。
自然から拾った流木はアクが出てしまったり、水に沈みにくかったりします。石も水質を変化させてしまうものもありますので、ショップで買ったほうが安全です。
大きくて立派なものを買おうとすると値段がかなり高くなります。細くて、安めの物を組み合わせていくとよいでしょう。
今回は1本1500円くらいの流木3本を組み合わせていくことにします。
近くのホームセンター(熱帯魚コーナー)で売っていたものです。どのような組み合わせにするか、水槽に入れる前に考えていきます。
決まったら固まる接着剤で固定していきます。おすすめの接着剤はこれです。
これを使って流木を組み合わせていきます。
固まるまで、ビニタイで固定しました。
1時間もすると結構固まります。今回はこのように組みました。
④流木や岩を配置していく
流木や石を水槽の中で配置してみます。これがなかなか時間がかかります。
自分が納得する配置というのは難しいのですが、初めにイメージしたものを考えながら、試行錯誤を繰り返していきます。
流木がメインになるので配置を決めていきます。角度を調整するため、下に細かい石を敷いています。
園芸用の軽石を敷いて、かさを増していくこともあります。高さが出るので、自分の好きなように配置することができます。
(ただ、今回は試行錯誤の結果、最終的に軽石はとってしまいました。)
⑤ソイルを敷いて全体の高さを出す
およそのレイアウトができたら、水槽にソイルを敷いていきます。ソイルとは、土を固めて作った粒のようなものです。
ソイルを敷いてから、流木や石を上に置いていくやり方もあります。今回は石を水槽に直接おいていくやり方で行っています。
まず、流木の周りの水草を育てたいので、そこだけソイルを入れました。黒くなっている部分がソイルです。
このようにソイルを入れました。
ソイルは、手前は薄く(4~5cmくらい)、奥は厚めに(7cmくらい)に入れると、奥行きが出ていいレイアウトになります!
⑥水草を準備する
今回使用した水草はキューバパールグラス、グリーンロタラ、ロタラHra、ウォーターウィステリアという4種類の水草を買いました。
水草はどこに植えるのかを意識して用意するといいでしょう。
前景草:水槽の手前側に適している水草。育ってもあまり高く伸びない。
中景草:水槽の中間近くに植える水草。前景草よりも伸びる。
後景草:水槽の一番奥に植える水草。水面近くまで伸びる。
初めに前景草のキューバパールグラスだけを育てていきます。中景草・後景草の3種類は後日購入しました。
写真はキューバパールグラスです。今回はこれを2カップ購入しましたが、ちょっと多かったです。60cm水槽の場合は、1カップでも大丈夫です。
1カップ1000円程度で売っています。もし、もっと増やしたいのであれば、時間をかけて増やすこともできます。
⑦水草を分けていく
かたまりで売っている水草を、少量ずつ分けていきます。少量ずつ広範囲で植えたほうが、より育ちやすいからです。
本来はこのような容器などに入れておくとよいでしょう。
根をできるだけ切らないように、「ほぐしていく」という感覚で分けてあげるのがよいでしょう。
また、売っている水草の中には、寒天のようなものがついている場合があります。その場合は、水などでよく洗って取り除いてあげましょう。
⑧水草をソイルの上に置いていく
今回は前景草のキューバパールグラスを「ミスト式」という方法で育てていきます。
霧吹きで水草を濡らし、ラップで水分を閉じ込めて育てていく方法。通常は水中で育てるが、それよりも簡単に育てることができる。
このように分けた水草をソイルの上に置いていきます。
通常はピンセットでソイルの中までしっかりと植えないと浮いてきてしまいますが、ミスト式であればそこまでやる必要はありません。
ミスト式について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
⑨毎日霧吹きをしながら1か月程度待つ
霧吹きで、毎日水草に水分を与えていきます。乾いていなければいいので、水が浸るくらいまで多くなくてもいいです。
1日に1回、もしくは2日に1回程度でいいです。
毎日新しい水道水を入れて、霧吹きをしましょう。終わったらしっかりとラップをして、水分が逃げないようにします。
照明は1日9~10時間程度つけておくといいです。
もっと長い時間つけておいても問題はありません。ライトの熱があるので、水槽内が温かくなります。
気温が低い冬などは水草が育ちにくいので、春から夏にかけて行うことをおすすめします。秋から冬でも、エアコンなどで温度を調節すればできないことはありません。
約1か月後、ほとんど生えそろいました。ここまでいったら、そろそろ水を入れていきます。
⑩レイアウトを崩さないように水を入れる
勢いよく水を入れてしまうと、せっかくレイアウトしたものが崩れてしまいます。
ソイルなどに直接水がかからないようにしながら水を入れていきます。
今回はアルミホイルを置き、その上にそっと入れていきました。
バケツを使ってもいいですが、勢いがよくなりすぎてしまうので、始めは2Lのペットボトルを使って入れていきました。
ソイルが水で浸るくらいになったら、他の水草を植えていきます。
⑪中景草・後景草を植える
今回は中景草にウォーターウィステリア、後景草にロタラHraと、グリーンロタラを入れます。
お店で売っている状態は、重りなどが巻いてある状態です。そのままでは植えることができないので、外してバラしていきます。
⑫水槽いっぱいまで水を入れてフィルターを回す
水草を植えたら、水を一杯まで入れていきます。
水を入れ終わったら、フィルターをセットして水を循環させていきます。
また、ヒーターも設置していきます。魚はまだ入れませんが、水草が育ちやすい温度にするためには必要です。
⑬二酸化炭素の添加キットを設置する
水草の育成には二酸化炭素が必要不可欠です。
二酸化炭素を添加するには、専用のキットとボンベが必要です。
チャームさんで売っている「チャームオリジナル CO2フルセット コンパクトレギュレーターBセット」がおすすめです。
二酸化炭素を添加すると水草は光合成ができますので、成長のスピードがぐんと速まります。
また、水草の種類によっては二酸化炭素がないとほとんど育たず枯れてしまうものも
必ず準備するようにしましょう。
二酸化炭素はいつ、どれくらい添加すればいいの?
照明が付いているときに添加をします。
量は、1秒1滴というペースで添加をします。
1秒に1滴というは、1秒で泡が1つ、ぷくっと出てくるスピードです。
⑭バクテリアが増えるまで1週間程度待つ
バクテリアとは、水の汚れを分解してくれるお掃除屋さんです。
水道水にはこのバクテリアがいないので、水槽の中でバクテリアが増えるために時間をかける必要があります。
バクテリアはフィルターのろ材に定着していきます。おすすめのフィルターやろ材については ≫おすすめフィルター5選≪ ≫水をピカピカにするろ材の組み合わせ≪ を参考にしてください。
⑮1週間程度したら魚を買いに行く
バクテリアが育ってきたら、魚を入れても大丈夫です。この状態になってから魚を買いに行きましょう。
熱帯魚ショップで好きな魚を選んでみてください。一番ワクワクするときですね。
初心者におすすめなのは「カージナルテトラ」「グリーンネオンテトラ」です。比較的丈夫で、安価なのでおすすめです。
⑯水合わせをして魚を入れる
熱帯魚ショップの水質と、家の水槽の水質は違います。
買ってきた魚をすぐにドボンと入れてしまうと、かなりのストレスがかかり、死んでしまうこともあります。
少しずつ水を換える「水合わせ」をしてから魚を入れてあげましょう。
水合わせの詳しい方法はこちらをご覧ください。
まとめ
以上、水草水槽の作り方をお伝えしました!
今回ご紹介した方法であれば、およそ同じような水槽を作ることができます!
また、魚を入れた後のメンテナンス方法については、この記事をご覧ください。
ではまたお会いしましょう!